在宅診療
久里浜横井クリニックの在宅診療は2022年4月から開始しました。
まず、当院の在宅診療は疾患や重症度、専門的医療処置に一切のNGはございません。
在宅診療はほとんどの患者様、ご家族にとって初めてのことであり不安も多いと思います。
当院の在宅診療の特徴はなんといっても幅広い経験(救急科専門医・外科専門医)を持つ副院長を中心とした診療体制です。
副院長は救急や外科だけでなく、離島での内科診療経験がありどんな状況でも柔軟に対応できます。
2022年4月の在宅診療開始からお陰様で多くの患者様をご紹介いただきました。当初は副院長の完全主治医制を維持しておりましたが、到底1人では管理できない人数となりましたので、各医療機関からの応援医師に訪問診療していただくことになりました。
特に病状が安定している患者様に限り、応援医師による定期訪問となりますことをどうぞご理解ください。
引き続き地域病院や訪問看護ステーションと連携を図ることで24時間365日の診療を行なっています。
また、当院は人生会議(人生最終段階における医療・療養のあり方)についても積極的に推進しております。
患者様ご本人、ご家族に対して死をタブーとすることはございません。
むしろ高齢者救急医療に長年携わった副院長だからこそ伝えることができる大切なお話しがございます。
要介護者、超高齢者、認知症、生活習慣病や良性疾患の終末期、がんの終末期。
高齢者救急医療の現場では、このように高齢者が治らない疾患をベースに急病を患うことで救急搬送されることが多く見受けられます。
しかし急性期治療や集中治療は、このような患者様にとって体力や精神的にもかなり負担が大きく、
長い治療期間の果てに身体機能や認知機能が衰えてしまうことが問題となっています。
「治って元気に元の生活に、、、」とご家族なら誰しもが思うことですが、簡単なことではないのです。
重症病態における集中治療室滞在後の身体的、認知的、精神的障害をまとめてPICS(集中治療後症候群)といい、
これは患者様ご本人だけの問題ではなく、退院後それを支えるご家族にも大きな影響をもたらします。
今まで衰えてきてはいたものの、ある程度は自立した生活ができていたご家族が、突然要介護者となり、生活環境が一変するからです。
過酷な集中治療の末、患者様もご家族も疲弊しきってしまう可能性も想定しなければならないのです。
それではどのような患者様に集中治療をふさわしくないか?
これに答えはありません。というよりも医師が答えを出すのではなく、ご本人やご家族が主治医などに予め相談し、
ゆっくりと考えていく問題なのです。
「体力の衰えてきた患者様に、あえて積極的な治療を行わず、最後まで個人の考えを尊重し、住み慣れた自宅で生活ができるように支援する」
これは少子高齢化がますます進んだ我が国が直面している多死社会において徐々に浸透してきた考え方です。
当院もこれを実現できるように精一杯頑張っております。
最も大切なのはご本人やご家族の考え方です。
まずはどんなことでも気軽にご相談ください。
在宅医療とは
訪問診療
定期的・計画的に患家を訪問し診察や検査を行います。一般的に月に2回です。
※末期癌や難病など重症度が高い場合は計画の上、適宜訪問診療を増やします。
逆に病状が非常に落ち着いている患者様に対しては月1回にすることも可能です。
患者様の状態に応じて臨機応変に対応致します。
往診
急な症状の変化があった際など患者様やご家族の求めに応じて訪問診療を行うものです。
一般的には先に訪問看護師が診察伺い、そこから当院に連絡が入ります。状況に応じて適宜判断します。
外傷や想定外の急変の場合は救急要請を勧める場合もございます。
もちろん24時間体制で行っておりますので、ご安心ください。
※症状やバイタル、患者様の状態によっては電話対応にて経過観察を指示する場合があります。わからないことがあればお気軽にご連絡ください。
在宅診療の対象となる患者様
在宅診療は病院や診療所のように積極的に精査加療を行う機能はありません。
従って急性期疾患(症状が不安定で,かつ病院での治療をご希望される方)、
悪性疾患でも手術予定や積極的抗がん剤治療中の方においては対象外となります。
病状は落ち着いているが通院が困難で慢性期の管理を在宅で希望される方、
悪性腫瘍の進行などにより在宅緩和医療を必要とされる方。
心不全や肺気腫などの終末期の状態で在宅医療をご希望される方。
超高齢者(老衰)や認知機能低下により在宅医療をご希望される方などが対象となります。