高血圧管理と予防法 – 日常生活でできること

久里浜で外来診療、訪問診療をしております久里浜横井クリニックです!前回に生活習慣病について触れましたので今回は代表格である高血圧についてご案内をしたいと思います。

高血圧は、動脈硬化や心臓病、脳卒中など、さまざまな深刻な病気の原因となる恐れがある疾患です。初期段階では自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することが多いため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。しかし、日常生活の改善や早期の対策によって予防・管理することが可能です。今回は、高血圧の管理と予防法についてわかりやすくご紹介します。


1. 高血圧とは?

高血圧は、心臓が血液を送り出す際に血管にかかる圧力が通常よりも高い状態を指します。日本では約4,000万人が高血圧を抱えているとされ、成人の約3人に1人が何らかの形で影響を受けています。

正常な血圧値は、以下の通りです:

  • 収縮期血圧(上の値): 120 mmHg未満
  • 拡張期血圧(下の値): 80 mmHg未満

高血圧と診断される基準は、次の通りです:

  • 収縮期血圧: 140 mmHg以上
  • 拡張期血圧: 90 mmHg以上

2. 高血圧のリスク

高血圧は、そのまま放置すると以下のような重大な病気を引き起こすリスクがあります。

  • 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
  • 心筋梗塞
  • 腎不全
  • 心不全

そのため、早期の管理と予防が非常に重要です。


3. 高血圧の原因

高血圧の原因は、遺伝的要因だけでなく、生活習慣にも大きく依存します。以下のような要因が高血圧を引き起こします。

  • 塩分の摂りすぎ: 食塩の過剰摂取は、血圧を上昇させる大きな原因の一つです。
  • 運動不足: 体を動かさないと、血管の弾力性が低下し、血圧が上がりやすくなります。
  • 過度なストレス: ストレスが溜まると、血圧を上げるホルモンが分泌されます。
  • 過度なアルコール摂取: 飲酒の習慣がある人は、適量を超えると血圧上昇のリスクが高まります。
  • 肥満: 体重が増えると、血管にかかる負担が大きくなり、血圧が上がりやすくなります。

4. 高血圧の予防法

高血圧の予防には、日常生活の中で少しずつ習慣を改善することが鍵となります。以下に具体的な予防法をご紹介します。

(1) 塩分を控える
  • 塩分の目標摂取量: 1日6g未満(日本人の平均は10g程度)
  • 加工食品やインスタント食品には塩分が多く含まれているため、なるべく避けるようにしましょう。薄味に慣れることが大切です。
(2) 適度な運動を取り入れる
  • 1日30分程度の有酸素運動(ウォーキング、サイクリング、軽いジョギングなど)を週に3~5回行いましょう。運動は血管を柔軟にし、血圧を自然に下げる効果があります。
(3) 体重管理
  • 目標BMI: 18.5~24.9の範囲が理想です。
  • 肥満を避けるため、摂取カロリーを適正に管理し、バランスの良い食事を心がけましょう。
(4) 禁煙と節酒
  • 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げます。高血圧の方は、禁煙を強く推奨します。
  • 飲酒は適量を守りましょう。1日の適量はビールなら500ml、日本酒なら1合程度です。
(5) ストレス管理
  • ストレスは高血圧の大きな要因です。リラクゼーション、瞑想、深呼吸など、ストレスを上手に解消する方法を見つけましょう。

5. 高血圧の管理法

高血圧と診断された場合、早期の治療や日常的な管理が必要です。以下のポイントに注意して、血圧を正常に保ちましょう。

(1) 定期的な血圧測定
  • 自宅でも定期的に血圧を測定する習慣を持ちましょう。朝起きた直後や寝る前が理想的です。
(2) 医師との相談
  • 血圧が高い状態が続く場合は、医師の指導に基づき、適切な治療(降圧薬の使用など)を受けましょう。薬物療法は、適切に行うことで血圧を安定させます。

6. まとめ

高血圧は自覚症状が少ないため、早期発見と日常的な予防・管理が非常に重要です。塩分を控え、適度な運動を心がけるなど、生活習慣の改善を意識して、血圧を正常に保ちましょう。また、定期的な血圧測定と健康診断を欠かさず、医師と連携して健康管理を行っていくことが大切です。もし高血圧に関して心配なことがあれば、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。