年末年始に潜む“静かな危険”
一次救急から見たヒートショックの実像と、冬を安全に過ごすために
年末が近づき、慌ただしい空気とともに気温はぐっと下がります。この時期、一次救急ではある共通した理由で搬送される高齢者が急増します。それが ヒートショック。
比較的温暖で冬も過ごしやすいといわれる横須賀。しかし近年の気候変動で一日の気温の高低差も大きく、冬場の冷え込みも厳しくなってきています。
冷えた脱衣所から熱い浴槽へ移るなどの急激な温度差で血圧が大きく変動し、失神や不整脈、脳卒中など命に関わる症状を招くことがあります。
■ なぜ「年末年始」にヒートショックが増えるのか?
1.一年で最も外気温が低い時期
特に12〜1月は室温差が大きくなりやすく、浴室事故のリスクが高まります。
2.生活リズムの乱れ
帰省や来客で入浴の時間帯が普段より遅くなることが多く、深夜や早朝の入浴が増えます。
3.飲酒の機会が多い
忘年会やお正月の席でお酒を飲んだ後の入浴は、一次救急が「絶対に避けてほしい」と呼びかける危険行為の一つです。
4.一人暮らしの高齢者のリスク増加
年末年始は周囲の見守りが手薄になり、浴室内で倒れても気づかれにくい状況が生まれます。
■ 一次救急の現場で起きていること
冬場、とくに年末の救急搬送で多いのが「冷えきった脱衣所から熱い浴槽へ入った瞬間に意識を失う」というケース。
ご家族がいるはずのお正月でも、「気を遣わせまいと一人で入浴し、そのまま倒れていた」という事例は決して少なくありません。
■ 今日からできるヒートショック予防
・脱衣所や浴室を暖め、室温差を小さくする
・湯温は41℃以下に、入浴は10〜15分以内に
・飲酒後の入浴は避ける
・高齢者は家族に一声かけてから入浴する
・手足からゆっくり温めて入る
■ 年末年始の安全を守るために
忙しさや気の緩みが出やすい年末年始こそ、入浴前の少しの工夫が命を守ります。
そして、もしも体調の急変や「いつもと違う」と感じる症状があれば、ためらわず医療機関へご相談ください。
当クリニックでは、横須賀にお住いの方々へ安心を届けるため年末年始も午前中は一次救急の受け入れを行っています。
「念のため診てもらいたい」という場合でも、気軽に足を運んでいただければ安心です。
どうぞ温かく、そして安全に、新しい年をお迎えください。