副院長のつぶやき

2020年に長崎の対馬という離島から横須賀に帰ってくると、憎き新型コロナウイルスが歓迎をしてくれました。私は横須賀共済病院で救急科医長として2年間勤務し、6つの波を全て超えてきました。
このウイルスが恐ろしいのは、子供や若年者にはほとんど重症化しないのに、高齢者・基礎疾患・生活習慣など様々なリスクを持つ人に対して致命的なダメージをもたらすことです。従って自然に国民の中でも温度差が生まれ、くだらない陰謀論などを真に受ける人も出てきます。

2年間コロナと向きあって改めて強く思うことが二つあります。

一つ目は健康を維持すること、体力をつけておくこと、未病予防が医療の鉄則であるということです。すでに複数の生活習慣病をお持ちの方は、決して遅くありません。自分の生活を見つめ直して生活習慣を変えてみましょう。

二つ目は死をタブー視してはいけないということです。日本人は欧米人に比べ死生観を語れる人が少ないと言われています。そのためか事実として日本で脳死者からの臓器提供が進まないし、海外では救急医療においても看取りや緩和医療は積極的に進められているのに、日本では圧倒的に遅れています。自分の生き方、死に方についての考えを家族や大切な人に話しておきましょう。

救急をやっていると、とても自分の家族にはしたくない無益で苦痛を伴う集中治療を患者さんにしていることがあります。その理由はご本人の意思が確認できないことと、家族が決断できない場合です。患者さんが元気な時に家族と話し合っていれば、もっと安らかに最後を迎えられたのでは?と思うことがコロナの波が押し寄せてくる度に思うわけです。

そして今はロシアによるウクライナ侵攻。本当に何が起こるかわからない時代です。

自分に今できることを精一杯やって、少しでも誰かのためになればと思うのです。